プロフィール

花園祐

Author:花園祐
 歴史とインドを何より愛する現在20代の一匹狼です。専門は国際政治と中国語で、そのほか社会学なども扱っています。 連絡先 miyamakikai@gmail.com

このページの扱いについて

 このブログはリンクフリーです。良くも悪くも紹介してくれれば光栄です。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

陽月秘話 出張所
ここは日々のニュースや事件に対して、解説なり私の意見を紹介するブログです。主に扱うのは政治ニュースや社会問題などで、私の意見に対して思うことがあれば、コメント欄にそれを残していただければ幸いです。
韓国国営放送トップの解任
 前回、「韓国BSE騒動について」の記事で、韓国の国営放送のKBSがBSE問題について捏造報道を行い、李大統領政権を転覆させようとしているというニュースを紹介しましたが、今日のニュースで李大統領はここのトップを解任することにしたそうです。(ネタ元:YAHOOニュース「KBS社長解任・デモ規制も強化 韓国・李政権攻勢へ」)

 記事によると、韓国でも今オリンピックで盛り上がっており、BSE問題の報道が少なくなってきたところで大統領が反撃に出たとのことです。特に解説する内容があるわけでもなく、続報が来たので紹介しておきます。

テーマ:韓国について - ジャンル:政治・経済

郵政民営化の是非を問う
 前回、竹中氏の評価について長々と書きましたが、肝心の郵政民営化については敢えて一緒に書きませんでした。その理由というのは単純に、あれだけ長く書いている上にまた長く書いても大変だという理由からでした。もっとも、この問題はいろいろ見る側面があるので、別個に分けて書くべきだとは初めから考えていましたが。
 そこで今回は、あの9.11選挙から三年近く経っていることもあり、おさらいの意味も込めて解説します。まずいつも通りに結論から言いますが、私は郵政民営化は必要だと、あの選挙以前からずっと考えていました。というのも、この郵政民営化は郵政事業にとどまらず、様々な問題の発信源となっていたからです。

 今回解説する上でポイントとするのは、民営化の賛成派と反対派のそれぞれの主張です。まず反対派の主張から説明しますが、やはり一番の理由に挙げていたのは「地方の切捨てになる」という点でした。民営化して利益重視の事業運営が行われると、地方の郵便局はどんどんと閉鎖されてその郵便局に頼っている地方との格差がますます広がってしまう、というような言質です。この主張は民営化の討論が行われている時点でも相当報道されていますから、多分皆覚えていると思います。

 もう一つの反対派の主張は、保険業についてでした。現在も一応続けられていますが、郵便局は簡易保険といって、審査の基準がゆるくて誰でも入りやすい保険を商品として取り扱っています。収入の低い世代などはこの保険に頼っている世帯も多く、もし民営化が実行された場合、真っ先にこの簡易保険が潰されると主張していました。
 そもそも、この民営化は簡易保険を叩き潰すために行われているというのが反対派の主張でした。彼らの言うところによると、あの悪名高き年次改革要望書(知らない人はぐぐって)によって、アメリカの保険会社を日本で儲けさせるためにこの民営化は行われたというのです。

 からくりはこうです。簡易保険がなくなることによって、無保険の世帯が大量に出てきます。そういった世帯に対してアメリカの保険会社が新たに保険商品を売って、儲けるというのが小泉政権やアメリカ政府が狙っていたというのです。保険というのはある程度先進国でなければ商売が成り立たないので、すでに成熟し切ってこれ以上のアメリカでは毛から利用がない保険会社が儲かる場所といったら、ほいほい言うことを聞いてくれる日本しかなかったというのが、標的になった理由です。その先兵として送り込まれたのが、例のアヒルで有名なアフラックとアリコです。友達が勤めておいて言うのもなんだけど。

 この反対派の主張は確かに一理あります。郵政選挙の前後、専門家たちはこの主張は非常に複雑で分かり辛いため、有権者達にはほとんど伝わらなかったのが彼らの敗戦の原因だと分析していました。しかし、私に言わせてもらうならば、報道面では選挙中、刺客候補ばかりが取り上げられて賛成派、反対派ともに政策面での主張はほとんど取り上げられず、選挙前はどちらかというと反対派の方がよく取り上げられており、「分かり辛い」という理由で伝わらなかったという指摘は当てはまらないと私は思います。むしろ、ほかの主張理由の説明に力を入れていたり、反対派の政治家の説明力不足が最大の敗戦の原因だと私は分析しています。

 これら反対派の主張に対して、賛成派はどんな主張をしていたのでしょうか。まず一番多く取り上げられていた主張は小泉元首相による、「民間にできるなら民間にやらせろ。その方がサービスもよくなる」という主張でした。別にこれだけならあまり説明することもないのですが、これに加えて選挙中に小泉元首相は、政府の財政赤字を減らすために公務員を減らさなければならなく、そのために郵便事業を民営化するのだと主張しました。これは一見、もっともらしく見えるのですが、郵便局で働いていた人間は公務員全体で見るならばそれほど多くなく、もし財政再建を目指すならばもっと大きくやらなければならないと、英字雑誌「エコノミスト」にて指摘されており、事実その通りです。

 ここで話はすこし外れますが、そもそもこの郵政民営化を小泉氏がやりたがったのは自身の報復のためだと言われています。小泉氏は父親の急死によって留学を切り上げて帰ってきて衆議院選挙に臨みましたが、それまで父親を支えてきた地元の郵便局関係者の組織票約5000票が小泉氏には回らず、そっくりそのままライバルの候補者へとついてしまったらしいです。結果は5000票の差で小泉氏は落選してしまい、事実上郵政票の裏切りにあって負けたに等しかったようです。もっとも、次回の選挙で初当選を果たしたのですが、この時の怨念が小泉氏を民営化へと動かしたという説が有力です。

 さて話は本筋に戻るや唐突ですが、「財政投融資」というのは皆さんご存知でしょうか。通称「財投債」と呼ばれるものですが、この資金の元はいうなれば我々国民が郵便局に貯金しているお金です。この貯金、まさかそのまま文字通りに「貯めておかれている」と考えているわけじゃないですよね。
 実はこの貯金というのはそのまま貯められているわけじゃなく、政府の一般会計、つまり用途が示されている予算とは別に特別会計という用途が示されない形で、様々なものへと使用されてきました。その主な用途というのはこれまた悪名高き道路財政、つまり道路建設へと主に使われてきました。もちろん、使った分は返済されることが条件なのですが、今までどれだけ使われてどれだけ回収されているのか、私はまだその詳しい内実を書いた報告書等は見たことがありません。

 この財投債、貯金好きの日本人をバックに抱えてるもんだから世界でも最大級の資金量を持っており、そんなにあるもんだから政府も無駄遣いに無駄遣いを重ね、これまで何度も指摘されていたにもかかわらずとめることができずにいました。それならば問題の根をたたけとばかりに打ち出されたのが、この郵政民営化で、私も小手先の改革では効果は望めないと考えていたので、郵政民営化を支持する第一理由としていました。

 さきほどに簡易保険について専門家らが、複雑で分かりづらいと言っていたことを説明しましたが、私の目から見るとこの財投債の存在と用途の方がよっぽど分かりづらく、また問題の根が深いと思います。それで考えたら、政策討論の国民への浸透については両者条件は同じだったのではないでしょうか。

 さらに言うと、賛成派の方が反対派の主張に対してきちんと対案、対策を出していたようにも思えます。まぁ口だけかもしれませんが、簡易保険は維持することを確約し、地方郵便局維持のために後年行われる株式の公開益3兆円を維持対策費に回すことを約束したりして、それなりに賛成派は答えは出していたのですが、逆に反対派は賛成派の民営化が必要な理由に対して、ただ反対するだけで問題の解決法を何も出していなかったように思えます。

 その代表的なものが、地方の郵便局にある「特定郵便局」の局員の問題についてです。この特定郵便局の局員や局長は基本的には世襲でした。世襲なので、そこの郵便局の人の子供はなんの条件もなく公務員となり、局員などをやってました。はっきり言いますが、反対派はこの制度だと地元との結びつきが強いとか言ってましたが、これは明らかに憲法に違反した制度です。世襲で公務員になれて、給料ももらえるなんて馬鹿げています。でもってこの制度を変えないと約束する代わりに、その政治家を支える組織票となっていたのですからどんだけ間違ったことをやってるのか。この間違っている制度も民営化によって廃止するという賛成派の主張に対し、民営化反対派はなんの対案も出しませんでした。そりゃ対策出したら自分の票田をなくすんだしね。

 財投債の問題も何の対案もありませんでした。こちらは道路利権とも結びつくので、考えるわけないでしょうね。
 以上のような理由すべてを分析し、私は民営化賛成派を支持するに至りました。案の定というか、書いてて疲れました_(._.)_

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済

私の評価する政治家
 コメント欄でリクエストがあったので、目下の政治家の中で私がその能力の高さを認める政治家を何人か紹介します。

 まず、前回過去最大の文字数で投稿された竹中平蔵氏です。私がこの人を最も評価するのはコメント欄にも書きましたが、何をすればどう現実が動くのか、そういう政策の立案についてはピカ一でしょう。以前の記事でも書きましたが、銀行の不良債権をどう銀行に処理させるか、彼の編み出したやり方は見事にはまり、誰にも不可能とまで言われた不良債権の処理を実現させています。
 と、この点はほかの何人かも指摘しているのですが、逆にあまり言われていない彼のもう一つの長所とも呼べるのが、政治家として非常にタフである点です。記事にも書いていますが、就任当初は民間出身の大臣としてマスコミも好意的に扱ったのですが、彼の資産が意外に高かった事実が報じられるや、一気に彼への攻撃が始まりました。それだけにとどまらず、国会内でも何の後ろ盾もない、雇い主の小泉首相も全然かばってくれずに野党から人格攻撃ともとられかねないほどの激しい批判を受けていました。それにもかかわらず、この竹中氏はいつもの犬っぽい顔で平気な顔をしているのだから、底が知れません。

 もっとも竹中氏は目下のところ政界から引退しているので、現在の国会議員の中で政策能力の高さで見るならば、ミスター年金でおなじみの民主党の長妻昭氏でしょう。この人はもともと日経ビジネスという雑誌の編集者であったと言うこともあり、テレビに出てくる際の発言を聞いていてもしっかりと政策などに突いても見識があると感じられます。そしてなにより、腐敗した官僚のシステムと年金問題を暴いたこの功績はここ十年の歴史でも最大の功績と言っても過言ではありません。

 自民党の中で言うなら、政策や運営面では菅義偉元総務大臣が評判が高いとよく聞きます。この人も苦学して上ってきた叩き上げということもあり、内実は深くはいえませんが組織を引っ張る力では自民党随一と聞いたことがあります。
 逆に、以前に与謝野馨氏が政策通で、意外に総理大臣としては安定する人材なのではないかと書きましたが、先月のサンデープロジェクトでの長妻氏との討論を見ていたら、どうやら私の目が間違っていたのかと思うくらい稚拙な発言が目立ちました。はっきり言って期待して損でした。

 現状では、40代くらいの若手議員の質で見るならば、圧倒的に民主党の方が人材は豊富です。先ほどの長妻氏を筆頭に京都選出の山井和則氏など、発言やビジョンのしっかりした人材がよくそろっています。自民党はやはり老年層が多く、若手の議員も郵政選挙の際に相当殺してしまい、挙句に安倍政権の失敗の責任を取られて散々な状態です。

 そんな中で、多少の異論はあるかもしれませんが、参議院議員の山本一太氏はなかなか大した人間だと私は評価しています。その理由というのも、政権発足当初より安倍元総理を支持していたにもかかわらず、郵政選挙で離党しながらも選挙に勝った野田聖子を初めとする郵政離党組の復党の際に、はっきりと安倍氏のやり方を批判していました。また参議院の必要性について話した際、自身も参議院議員であるにもかかわらず、今のままなら参議院は必要ないとはっきりと言明しました。この二つの発言は自民党に籍を置く山本氏にとってすれば足を引っ張るだけの発言にも関わらず、果敢に批判を行ったと言う点は与党議員として私は高く評価します。

テーマ:政治家 - ジャンル:政治・経済

内閣支持率調査の読売のやりすぎ
 今日は昨日長々と書いた「竹中平蔵の功罪」の後編を書こうとしていたのですが、緊急に書かなきゃいけない内容が出てきたのと、ちょっと友達と遊びすぎてへとへとな状態なので、短いながらも楽しい統計のトリックと各新聞の性格について書こうと思います。

 いきなり夢のないことを言いますが、日本人というのは統計調査については非常にずさんな民族です。概して、欧州諸国と比べてアジア諸国は歴史的背景などもあると思いますがどこも統計情報を軽視する傾向にあり、日本はまだマシ(中国なんて平気でごまかすし)な方ですが、それでも非常にずさんだと言わざるを得ません。民間団体はもとより国の調査でも信頼度の低いものばかりで、といっても内閣府の調査結果はまだマシなので私もよく使ってるんですが、それでも「あんまり信用できないけど」という前提の下で使用しています。特にひどいのは地方自治体の調査結果で、これなんてほぼ全部信用できません。

 私は調査技術を専門に勉強していたわけではありませんが、そんな素人でもはっきり分かるくらいに日本はいい加減な調査ばかりで、民間団体に至ってはびっくりするような手抜きな調査方法、結果もたくさんあります。それはもちろん、本来はしっかり調査活動をやらねばならないマスコミにも言えることで、特に憲法九条に関する調査に至っては朝日と読売で毎回10%以上の結果の開きが出てきています。

 そこで今日のお題ですが、先日に福田内閣は内閣改造を行い、今朝の新聞の朝刊にはどこも新たに内閣支持率の調査を行いその結果を載せていました。しかし、この結果というのも愕然とする……というよりかは爆笑に近い内容のものが、一社だけ混ざっていました。何を隠そう、題にも乗せている読売新聞社です。
 比較対象のデータは読売、朝日、産経、毎日が発表している調査結果で、記事はどこもネットでの記事を根拠にしています。各リンク先は以下の通りです。

・読売新聞:YOMIURI ONLINE
・朝日新聞:asahi.com
・産経新聞:MSN産経ニュース
・毎日新聞:毎日jp

 産経だけは共同通信の調査結果を使っていますが、残りはどうやら自前の調査のようです。調査方法は支持率調査時によく使う、ランダムに電話して聞き取りする調査方法のようです。
 それで早速その調査結果なのですが、以下の通りです。

    支持  不支持 前回調査時の支持率との差
読売:41.0% 47.0% +25ポイント
朝日:24.0% 55.0% ±0ポイント
産経:31.5% 48.1% +4.7ポイント
毎日:25.0% 56.0% + 3ポイント

 見てわかるとおり、読売の調査結果だけあからさまに突出しています。第一、内閣改造をしただけで支持率が25%も急増するわけなんて、普通に考えて有り得ないでしょう。
 それにしても、読売新聞はよくこんな調査結果を載せてきましたね。こんな結果がもし偶然に出たとしても、私なら公表を見送るか、再調査を必ずやらせます。ただ、私の読みとしては敢えて読売はこの結果を、ってか多分支持率を敢えて高くなるような調査を自らして公表したのだと思います。その理由というのも、読売新聞のトップである例のナベツネは、これまでの小泉、安倍政権に対しては苦々しく思い、自民党守旧派の福田政権に対しては逆にえらく親近感を持っているからです。なお小泉、安倍政権の頃は産経がやけに肩を持っていましたけど。

 つまり、福田政権に対してわざと応援や援護射撃をするような目的で、さも支持率が急増したかのような調査をやったのだと思います。ですがさすがにこれだけいびつな結果だと、私みたいに気づく人間も出てくるでしょう。福田政権に対して批判的なスタンスを取っている朝日新聞と、一応右派新聞の系統に入っている産経との差ですらたったの7.5ポイントです。朝日と同じ左派系統の毎日はやっぱり朝日に近い結果だけどそれでも読売みたいに無茶はやっていません。

 そして私自身の今回の内閣改造の感想としましても、ただ派閥のトップを並び立てただけで、これからの若い政治家を育てようという気概は何も感じないし、本当に各省庁の事情に精通しているか怪しい人間ばかりであまり評価していません。まだ能力が伴っているなら年寄りだろうが若手だろうが私も何も言いませんが、財務大臣に伊吹文明って、元財務官僚だからといってこの人が経済政策に対する具体的な提言をしたことってあるんでしょうか。私の聞く限りでは今まで何もありませんでしたよ。同様に、国土交通大臣に谷垣貞一も、恐らく重要ポストに派閥の幹部、って組み合わせだけでついただけでしょう。ついでに言うと、この谷垣は財務大臣時に何かやったことはあったのでしょうか?

 最期にこの支持率の適正な結果はなんなのかという分析をすると、一応どの新聞でも支持率は前回調査時より上がっているので、少なくとも国民は今回の改造でより見損なったということはないといえるでしょう。そう考えると、実態に近いのは産経新聞(共同通信の調査)の結果、もしくは産経と朝日の数値の間くらいだと私は考えます。
 ただ私の気になる結果として、産経の調査では挙げていないのですが、麻生太郎氏を幹事長に据えたことに対する調査結果で、読売、朝日、毎日の順番で、「評価する」と答えた率がそれぞれ66%、51%、57%と、どれも50%こそ上回っているものの、思っていた以上に低かったのが気になりました。というのも、福田首相としても今回の改造の目玉として持ってきたにもかかわらず、意外なほどに低かったのではないかと推察します。それこそ、改造全体の評価は低くとも麻生氏の起用については支持が80%ほど行くと踏んでいたのではないでしょうか、改造前の口ぶりとか見ていて感じた私の勝手な予想ですがね。また国民の側としても、無回答を含め約半数が麻生氏の起用を評価していないというこの結果は、人気は人気だけどマスコミで騒がれているほど麻生氏はそこまで強いわけじゃないのではと、これも勝手ながら感じた次第であります。

テーマ:今日のニュース - ジャンル:ニュース

内閣改造の政治的手法
 本日午後、福田内閣はかねてから予想されたように内閣改造を行いました。昨日の記事に簡単な予想と今後の影響を書きましたが、案の定というか渡辺喜美前行革担当大臣は外されてしまいました。逆に渡辺前大臣が行ってきた公務員改革に批判的だった町村氏は官房長官に残留したので、今後政府の公務員改革はブレーキがかかることが予想されます。さらに言うと、町村氏は前回の自民党総裁戦時に福田の肩を持つ代わりに閣僚ポストをもらうという密約をしていたそうなので、今回の残留もよく分かる話です。
 個人的に一番残念だったのは野田聖子が閣僚入りしたことです。彼女については以前に書いた「野田聖子の公認」に散々悪口書いているので、暇だったら見てください。

 さてそんな説明はどうでもいいとして今日の本題です。コメント欄に内閣改造をするのは支持率回復が目的なのかという質問があったので、いい機会なので政治的手法からみた内閣改造の醍醐味を解説します。

 まず最初に言うと、この内閣改造が政治手法として使われ始めたのはごく最近です。やり始めたのはほかでもなく、小泉純一郎元首相です。
 もともと日本の内閣、それも戦前の頃は一人の閣僚でも首相や他の閣僚の意見に反対すると、内閣不一致とされて首相は辞職を余儀なくされていました。代表的な例は陸軍が大臣を出さずに流産した林銑十郎内閣や岸信介の裏切りによって倒れた東条内閣などがあります。現在の内閣改造に近い例としては、近衛文麿内閣時に松岡洋介外務大臣をやめさせるためだけに近衛文麿は一旦辞職し、すぐにまた指名を受けて再組閣した例があります。

 この内閣の全会一致制は戦後になるとこの制度を悪用した陸海軍の反省もあり、首相権限に国務大臣の罷免権が明記されるようになり、その時々の政権目標ごとに国務大臣を入れ替えられるようになりました。しかし戦前の例もあって、真っ向から大臣に反対されると辞職を余儀なくされることは慣例として残っており、55年体制崩壊時の宮沢喜一内閣も、ある郵政大臣の首相の辞職要求を伴った辞任がきっかけで倒壊しています。

 そんな内閣改造を、一挙に政治的手法に持ち上げたのが小泉元首相でした。ちなみに一番最初にとっかえられたのは、外務大臣をやっていた田中眞紀子でした。
 恐らく、小泉氏は明確な目的をもってこの内閣改造を行っていたように思えます。その任期中では、細かい人員の変更を除く一気にメンバーを刷新する内閣改造を三度も行っています。

 なぜ小泉氏はこう何度も人員を変えたのでしょうか。その理由はほかでもなく、官邸、つまり首相自身の権力強化が目的だったのでしょう。それまでの日本の政治では、首相自身がやりたいと思う改革、政策があっても、自民党に慣例として残っていた役員会の全会一致がなければ何も実行できませんでした。つまり首相にやりたいことがあっても、党の長老なり執行部なりがそれに納得しなければ何もできなかったのです。これは現在も続いていますが、日本の政治システムの最大の弱点は、最高権力者である首相が持つ権力が小さいということです。

 そういった状況の中、小泉氏はこの内閣改造、というより閣僚ポストをエサに党内の反対勢力を押さえ込む方法に出ました。そのからくりというのも、首相である小泉氏の政策に共鳴するならば閣僚ポストが得られるが、反抗するならば年功序列から派閥の推薦を無視し、一切ポストを分け与えないという、従うのならばエサをやるというような手法です。この手法により、小泉氏は自民党内で当初は政策の違いのあった人間でも、閣僚ポストを分ける代わりに反対意見を封殺していきました。麻生太郎氏などは、総務大臣にいきなり上げて、まさに昔に言うところの位討ちを受けて一気に小泉支持へと変わったように思えます。

 逆に反対勢力はこの手法で徹底的にあぶりだすとともに、その勢力の人間を麻生氏のように位討ちしては徐々に切り崩していったようにも思えます。このように、人事権を以って小泉氏は党内運営を行い、当初は不可能と言われた自民党の票田をわざわざ切り離す郵政民営化を実現したのです。

 ただやっぱり万事がなんでもうまくいくわけでもなく、郵政解散の際には岩永峯一元農水大臣が小泉氏の解散発議に反対を表明しました。しかし小泉氏はそんなのお構いなしとばかりに、かつては素直に辞職した宮沢氏と異なり岩永氏を即座に農水大臣から罷免すると、自ら首相と農水大臣を兼任してまで内閣内の意見一致をはかり、郵政解散へと踏み切りました。なおこの際、全会一致が慣例であった自民党役員会でも反対者がいるのに、初めて多数決で解散を認めさせています。

 私が見るに、内閣改造は支持率の回復というよりは、こうした党内運営のための手段としての方が価値は高いと思います。しかし状況に応じて大臣を変えることにより、その時々の政策目標に人員を絞れるという面もあり、実質的な効果も少なくありません。ただ小泉氏の場合、不評だった大臣を変えたり、大胆な抜擢を行って支持率を上げたり、自分の政策目標に目立つ大臣を据えてメディアへの露出を増やし、その政策目標へと国民の関心を向けさせるように誘導していくという目的の方が大きかったでしょう。どっちにしろ、人員は一新されるとなんだかんだ期待感や新鮮さが出てくるので、そういったものが支持率の回復につながるのではないでしょうか。

 最期におまけとして、途中で上げた宮沢内閣で辞任要求を突きつけた当時の郵政大臣というのは、何を隠そう小泉純一郎氏です。自分が反対された時は切って捨てたのに、昔は同じことを自分がやっているという、よく言われていますがこの人は本当に過去を気にしないようです。
 そうやって、ばっさばっさと反対したりいらなくなった人間を切ってきた小泉氏ですが、在任中にずっと大臣に据え続けて手放さなかった人物が一人だけいます。それがあの竹中平蔵氏です。前から準備してきたので、この次は竹中平蔵氏についてついに書くことにします。

テーマ:政治・時事問題 - ジャンル:政治・経済